たまねぎの皮

お絵描きノウハウや個人企画の記録。

【お絵かき道場】対称ツールで正面顔を描いちゃダメ?

※一個人(珠音)のキャラクターイラストに対する考えを記述しています。

今回はデジタルお絵かき&一部お絵かきソフトに限定したお話になります。
1からお絵かきをはじめる時って、人の正面顔を描いて、慣れてきたら斜め顔を描いたりしますよね。
でも、描き慣れた人からすると斜め顔より正面顔の方がめっちゃ難しいです。正面顔って何度やっても整わない。
そんなお悩みの短期的or長期的解決方法の紹介です。

↑何か変。

ざっくり3つのお悩みポイントがあります。

 

この悩みのすぐ解決する方法長い目で解決していく方法を紹介します。

■すぐ解決する方法:対称ツールを使用する

文明の利器に頼りましょう!
CLIP STUDIOやibisPantには、画面を分割して左右対称に描ける「対称定規」があります。こちらを使います。

↑こちらが(左右)対称定規を使った絵。鼻や顎を通っている薄い紫の線が「ここでキャンバスを分けて左右対称に描画します」という線。なので、右側に描けば線より左側にも同じ形状が描かれるという機能です。(左側に描いてもOK)
これであればお悩みポイントが全部解決されます。あとは納得いくまで描くだけ!

でも何か違和感というか気持ち悪さを感じませんか?
その気持ち悪さの解決方法は「長い目で解決していく方法」の後に記載しますね。

 

■長い目で解決していく方法:左右対称の絵に見慣れる、描き慣れる

できるだけ違和感のない対称が描けるようになる方法です。

まずは見慣れること。正解を知らずに描くのは無謀です。
「高さが同じ」「左右のバランスが同じ」「線の曲がる角度や形が同じ」の絵を見慣れましょう。

そして対称の絵を描くこと。補助線を引いても上手く描けない場合は「すぐ解決する方法」である対称定規を使って描いちゃいましょう!
何回も練習すると「パーツのあるべき位置」が見えてきます。これは対称の絵に見慣れてきた証拠です。これで高さや左右の位置バランスが整えられるようになってきます。

線の曲がる角度や形の矯正は難しいです。手には、描きやすい線の方向と描きにくい方向というものが存在するため、どうしても同じに描けない場合があります。
それでも、対称に見慣れて「あるべき形」がキャンバスに見えてくると違和感がない程度の対称が描けるようになると思います。(描いてみた↓)

私もまだまだだけど、これらの方法で前よりは整った正面顔が描けるようになりました!

■対称ツール特有の気持ち悪さの原因と対策

再び対称ツールだけで描いた絵を見てみましょう。

整っているけれど、何か気持ち悪さを感じませんか?無機質感というか。

どこが気持ち悪いか、考えた後に続きを見てくださいね。







ざっくり4か所!
①前髪の中央
 いかにも「線対称」感があって気持ち悪いですね!鏡合わせにしました感が!
 ここは対称機能をOFFにして描きましょう。

②目のハイライト
 ここも左右対称のまま寄り目ハイライトになってしまっていますね!
 対称機能をOFFにして、黒目に対して同じ方角にハイライトを描きましょう。

③横髪の形、④髪全体のシルエット
 左右が全く同じだと逆に違和感を感じるのが髪型です。
 前髪同様、髪の毛を描く時は対称機能をOFFにして描いた方が良いです。

直した絵がこちら。↓

左:修正前 右:修正後


そもそも、人間は左右非対称にできているものなので、左右対称だと逆に違和感や不安感、恐怖感を感じると言われています。
上記の4点の改善でも「そもそも顔のパーツが対称なのが苦手…」という方は
ラフまで対称ツールを使って、下書き以降は対称ツールを使わないで描くとほどよく対称だけど非対称にできます。配置は対称、形は非対称という感じですね。

 

■まとめ

・すぐに正面顔を描けるようになりたい場合は対称ツールを活用すべし!
・全部対称ツール使用は×!
・対称ツールで描き慣れると、なくても描けるようになる!
・対称ツールは邪道ではない!上手く利用して絵力をUPしよう!

 

■おまけ

クリスタの対称定規には欠点があります。
描いたモノの位置移動が線対称先では追従してくれません。
目の位置を移動した場合、片方だけが移動してしまうのです。
それを解決する素敵なツールがASSETSにあります!


私がよく使うのはCircleツールですかね。ポインタの大きさの範囲内をドラッグで移動すると線対称先の絵も移動してくれます。超便利!

 

以上!